魔術書2【メンバー用】

第一章1話

 
 
ここはとある場所にある王立魔法学校、通称魔法カレッジ。
成績が優秀なだけでは入学する事が出来ないという変わった学校。
 
富でも知恵でもない・・・・
一人一人に秘め、隠れたその力を求めた学校。
 
入学試験の時に学校長の愛猫に選ばれたものしか合格ができない。
その猫は目の前に立つ者の秘められた属性や力を見ることが出来るという。
 
また選ばれた者達にとって思い入れのあるモノや好きなモノが媒介として、学校長の力により魔法を使えるようになる。
 
そして、入学試験で選ばれた者はその場で入寮試験も続けて受けることになる。
 
星(ステラ)寮、月(ルナ)寮、太陽(ソーレ)寮、空(シエル)寮がある。
 
 
そして、今回の物語の生徒たち6名はステラ寮に属す者達のお話である。
 
 
 
咲耶『ねぇ、睦月!見て頂戴!』
懐かしそうな表情で窓の外を指さし肩を叩く
 
睦月『んっ、なぁにー?窓?・・・・わぁ・・・!』
肩を叩かれ振り返り見ると過去に自分たちが入学試験で向かう為の列ができていた。
 
咲耶『なっつかしー・・・・!私たちもあそこの門通るときは緊張してたなあ・・・』
窓をあけ頬杖を窓縁でつく。
 
睦月『本当にねぇ・・・。先週の昇級試験私たちも無事終わってよかったね。』
笑顔で咲耶を見て
 
咲耶『そうだね!これで3年生!じゃないと先輩としての威厳がないものね・・・w』
苦笑いしながらも窓辺から顔を睦月に向け微笑み直す。
 
睦月『あの中のどの子がこの寮に入るんだろうねぇ』
 
咲耶『とびっきり可愛い子がいいなっ』
楽しそうに微笑みながら目を閉じる
 
睦月『夢を壊すようなことをいっちゃうけど・・どっちにしてもさ、咲耶・・・難ありじゃないと入れないからね、ここ』
苦笑しながらも窓に背を向け意味ありげにいう。
 
咲耶『・・・そうだったね・・』
遠くを見てふと過去を思い出すような表情をする
 
睦月『まっ、万が一来るかもしれないから歓迎の準備だけでもしちゃおうか!ねっ』
咲耶に抱き付いて笑顔で同意を求める
 
咲耶『そうだね、入寮試験が終わればもう今日から仲間だものね、やっちゃいましょ!』
 
睦月『うん!まず・・ステラらしい飾りつけと、とびっきり綺麗なお水で紅茶用意しましょうか!』
二人そろって媒介になるものに手を触れさせ
 
睦月『光の精霊、とびきり素敵な星の飾りを部屋中にお願いします。スターレイン!』
 
咲耶『水の精霊さん、お客様たちに美味しいお紅茶用意したいの。ちょっとだけ力を貸してくださいね・・・ウォーターレイン』
 
 

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第一章2話

 

 

アラームが鳴る
 
 
栞『はっ、あああああああっ!!!忘れてたあああ!!!』
慌てて起き上がる
 
 
栞『ご飯なんか食べてる暇ない!!!(身支度中のアドリブ)』
 
 
身支度をしおえ入学試験通知書を握りしめる
 
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【入学試験通知書】
 
栞殿へ
 
この度は王立魔法学校への入試案内をお知らせします。
 
時間厳守で当日お越しくださいませ。
 
貴方がこの王立魔法学校で学べる能力があることを願っています
 
 
学校長
 
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栞『うん!!よし、今日も私可愛い!!!』
毎日恒例になりつつある、鏡に向かってとびきり可愛い笑顔で言う
 
栞『いってきまーす!』
 
 
 
 
杏華『叔母様、おはようございます』
不安げに声をかける
 
叔母『・・遅かったわね・・おはよう』
怪訝そうに
 
 
杏華『今日、王立魔法学校の入学試験なので行ってきます』
恐る恐る
 
叔母『そう、落ちたら許さないわよ。だいたいそもそも反対なのよ、私たちは魔法学校なんて。あんな野蛮な・・・』
少し最初は威圧的に。
 
杏華『え・・・あ、はい・・・ごめんなさい』
 
 
叔母『まぁ・・・いいのよ?あそこも主席で卒業できれば問題ないし。ただわかってるわよね?あんな野蛮な学校でも落ちたら周りの目があるのよ?!そもそもとりえのない母親譲りの力なんか・・・!私たちに迷惑しかかけないのよ!』
 
 
杏華『はい、わかってます。(心の中)→まただ・・・・私・・・お母さんに会いたいよ・・・』
 
 
叔母『なにしてるのよ、早くいきなさい!』
立ちすくむ相手に向かって
 
杏華『は、はいっ・・・いってきます』
我に返って
 
 
<ガヤ撮り>
 
 
栞『やっば!!門しまってる!厳重すぎ!』
庭への門が閉じているためにあたりを見渡し、少し離れたところにいる少女をみつけ
 
 
栞『あ、あなた!もしかしてここの受験生?!』
 
 
杏華『ひゃっ、あっ、は、はいっ・・・!』
大きな声で声をかけられびっくりしつつ
 
 
栞『で、遅刻しかけてると・・・?』
 
 
杏華『しかけてるというより、遅刻したから門が閉まってるのかなと・・・・す、すみませんっ・・』
相手と目を合わせずに
 
 
栞『うん、間違いないね。』
 
 
杏華『ど、どうしたら・・・・もう受けられないのかな』
 
 
栞『はあ?そんなことあってたまるもんか!何のために今日までに頑張ってきたのか、わからないじゃん!』
 
 
杏華『は、はいっ・・・でも・・・』
 
 
栞『上るわよ、この塀!』
 
 
杏華『は、はい??・・・えぇええええぇぇええ』
自分の身長の倍はある塀を見上げる
 
 
栞『でも、どうやって上るか・・・』
 
 
杏華『わ、わかりません・・・』
 
 
栞『んーーー・・・・この木とか?』
 
 
杏華『私、木に登ったことないです』
 
 
栞『そんなこといってる場合じゃないでしょ!受けれなくていいの?』
 
 
杏華『それはダメです!!ダメなんです・・・受からないと・・・いけないんです』
 
 
栞『ほら・・・なら答えは一つ!上るっきゃない!でしょ?』
 
 
杏華『はいっ!』
 
 
<ガサガサ音>
 
 
栞『なんとか・・・・ここまで登ったはいいけど・・・』
 
 
杏華『こ、これ・・・どうやっておりるんですかぁあああああ』
 
 
栞『最近ちょっとお尻にお肉付いたからってこの高さじゃどうにかなっちゃうな・・・うん』
 
 
杏華『どうしよう・・・』
 
 
白那『こーら、なにこそこそやってるんだ?危ないだろ』
公園で読書をしていた白那
 
栞&杏華『ひっ・・』
 
 
白那『風の魔法使えないからちょっと荒っぽいけど、勘弁ね』
胸のネックレスを握り
 
 
栞&杏華『え?』
 
 
白那『地の精霊、少し手伝ってくれ。ステアー』
塀の近くに地面から石の階段ができあがる
 
 
白那『ほら、まず危ないからこっちにおいで、話はそれからだ』
 
 
栞『すご・・・あ、ありがとうございます』
 
 
杏華『す、すみません!』
 
 
2人は塀から無事降り階段が消える
 
 
白那『大体わかってるけど、受験生でいい?』
 
 
栞『そ、そうです』
 
 
杏華『はいっ・・・やっぱり悪い事したから、受けれませんよね・・・?』
 
 
白那『そこまでして受けたいって気持ちは伝わったから、報告したりはしないよ。けどね、遅刻はいけないし、こんな危ない事絶対しちゃだめだぞ』
 
 
栞『ごめんなさい!』
 
 
杏華『すみません!』
 
 
白那『ほら、わかったなら精一杯頑張っておいで。選ばれるかどうかは愛猫しかわからない事だけどさ。』
 
 
栞&杏華『はい!』
パタパタと正門に向かって走っていく
 
 
 
 
白那『入学試験と入寮試験・・・・か。』
当時の自分達2年生(一年生の時)を思い出し。
 
白那『秋は覚えてるかな、当時の事。』
思い出し笑みを浮かべ、携帯をだして
 
白那『9時・・か。まだ、電話しても大丈夫かな?・・・もしもし、秋?おはよう。・・・・・・いや、入学試験が今日あって、当時の事思い出したら秋の声が久しぶりに聞きたくなってさ。』
寮に向かいながら歩きながら
 
『うん、そうだったな。懐かしいよ。秋はそっちの学校でも頑張ってる?・・・本当に?皆を困らせてるんじゃないか?笑』
 
 

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第一章3話

 

環『220・・・人?あれ、これで全員?・んーっ・・・あっ!そこの女の子達!早くこっちに並んでください!』
書類や集まった人を見合わせるが2人足りずにあたりを探し走ってくる2人を見つけて少し焦りながら声をかける
 
 
栞『は、はい!すみませんー!!』
 
 
杏華『遅くなりました、すみませんっ!』
2人とも息を切らしながら先生であろう人物に謝罪をする
 
 
環『えーっと、まずこれから入学試験を行うための面接場所へ移動します。
ここの面接で選ばれなかった方々は残念ですが面接終わり次第、不合格としてこの学校から帰宅してもらいます。
もし合格者がいましたらそのまま残っていただき、入寮試験を続けて受けてもらいます。いいですか?』
冷静に書類を読み上げ並んでいる人に目を配っていく。
 
 
栞・杏華『はい。』
 
 
環『じゃあ、行くよ。みんな僕についてきてくださいね!!』
書類を持った手を上に掲げついてきてくれと背を向け顔だけ軽く振り向き言う。
 
 
栞・杏華『はいっ!』
 
 
学校内に入り様々な煌びやかな装飾品や部屋の作りに驚き何人かの生徒から声が漏れる
 
 
栞『わーっ・・・凄い・・・』
杏華『本当に・・・凄いし広いです・・・』
 
 
環『こらこら、しーっ!もうすぐ面接場所に着くよ。』
諭すように少し小さな声で言う
 
 
栞・杏華『すみません!』
 
 
またしばらく歩き、一つの扉の前に来た
 
 
環『さぁ、着いたよ!この隣の部屋が大広間になってて全員分の椅子があるから受験番号順に座って待っててくれるかな。
飲み物も置いてあるから静かにしてゆっくり待ってて。順番が来たら名前を呼ぶからね。』
 
 
2人はそれぞれ自分の受験番号を見返し二人とも隣同士だとわかると安心し、言われた通り椅子に向かう
 
 
杏華『番号隣同士でよかったです・・・』
 
 
栞『そうだね、緊張してきた・・・』
 
 
杏華『皆さん、やっぱりどこかピリピリしてます・・・』
当たりを見渡す
 
 
栞『そりゃそーだよ。選ばれるかどうかが決まってるんだもん。』
目線だけあたりを見渡す
 
 
杏華『そうですよね・・・頑張りましょう』
緊張しつつも小さく頷く
 
 
栞『もちろん!あっ、今更だけどあなた名前は?私は栞っていうの!』
 
 
杏華『あっ、杏華っていいます!』
 
 
栞『きょう・・か・・・かぁ。・・うん、きょうちゃん!今日から杏ちゃんね!』
 
 
杏華『杏ちゃん・・・』
 
 
栞『・・・あっ、あだ名とか嫌だった?』
 
 
杏華『い、いえっ!違うんです・・・初めてあだ名付けてもらったから。
嬉しくて・・・あのっ、私も・・・しーちゃんって呼んでもいいですか?』
 
 
栞『当たり前じゃん!宜しくね、杏ちゃん!』
 
 
杏華『はいっ、しーちゃん!』
 
 
そんなやり取りをしている間に扉が開き
 
 
環『栞さん、杏華さん。二人ずつこちらに来てください』
 
 
栞・杏華『はい・・・』
落ち着いたころに呼び出しされ急に緊張し始める
 
 
環『まずは栞さんから、杏華さんはこの廊下にある椅子に座って待っててくださいね』
 
 
栞『わかりました。』
 
 
杏華『しーちゃん、頑張ってね』
 
 
栞『・・うん。』
 
 
環『さぁ、いってらっしゃい。』
環が学校長が控えている待機室の重々しい扉を開け、入るように促す
 
 
栞『・・・失礼します!』
 
 
学校長『こんにちは。中に入りなさい。』
手で目の前の椅子へと促す
 
 
栞『は、はい!』
椅子の前に立ちお辞儀をして椅子に腰を掛ける。
 
 
学校長『ふふっ、そんな緊張しなくてもいいのですよ。さ、出てきてあげなさいカルマ。』
 
 
カルマ『ニャー。』
 
 
栞『わぁ、可愛い!!』
 
 
学校長『この子が私の愛猫のカルマです。この子が選ぶ者。貴方たちが選ばれし者になるやもしれませんね。』
 
 
栞『選ばれし者・・・選ばれたいです!私、どうしても入りたいんです、この学校!』
 
 
カルマ『ニャーン・・・』
ストンと机から飛び降り栞の座る椅子の傍まで行き品定めをするかのように下から上へと目線を向ける
 
 
栞『・・・っ・・・・(お願いしますっ)』
目を閉じ祈るように。
 
 
カルマ『ニャ』
 
 
学校長『おやおや・・・・』
 
 
カルマ『ニャー!』
学校長に目を向け、栞の膝に向かってジャンプし
 
 
栞『きゃっ!か、カルマ・・・?』
両手を開き驚き固まって居たが学校長の声で我に返り
 
 
学校長『おめでとうございます。』
 
 
栞『えっ・・・・?』
 
 
学校長『我が魔法学校へようこそ。1年栞さん。』
 
 
栞『あ・・・ありが・・ありがとうございます!!』
拍子抜けしたと同時に涙を押し殺し笑顔で猫を抱きしめ、学校長に言うと同時にカルマにも。
 
 
カルマ『ニャー』
 
 
学校長『それではこれで入学試験は終わりです。引き続き入寮試験になります。
新たな扉を開きますので、私の質問に素直に栞さんの気持ちをお話し下さいね。』
カルマへ手を伸ばすとカルマは姿を変え学校長の手のひらへと消え光となり、その手を壁へ向け。
 
学校長『カルマ、新しく導かれし者に示す扉へとなれ』
 
 
栞『猫が・・・』
口を開け驚きを隠せない
 
学校長『いいですか?これから入寮試験を始めます。すべての質問に答え終わったらカルマ・・・いえ、扉を開けて入ってください。
栞さんに合う寮へと誘いましょう。そして行った先は休憩室へと繋がっています、そこで迎えが来るまで休んでいてくださいね。』
 
 
栞『はい・・・』
 
学校長『栞さんの、貴方の家族は・・・・』
 
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環『はいっ、次は杏華さんですよ。さぁ、中へ・・・・いってらっしゃい。』
 
 
杏華『はい!』
 
 
学校長『さぁ、始めましょうか。こちらの椅子に座ってくださいね。』
 
 
杏華『あの・・・しーちゃ・・・栞さんは・・・?』
部屋に入り最初にはいった人が居ないために不安になり
 
学校長『ふふ、この愛猫が示す先へと行きましたよ。』
 
 
カルマ『ニャー』
 
 
杏華『示す・・・先・・・・。それは・・・どういう。』
 
 
学校長『さ、椅子に座ってくださいね。』
 
 
杏華『あっ、は、はい!すみません!』
 
 
カルマ『ニャー』
座るな否やすぐさまひざ元へと飛び移る
 
 
杏華『わわっ、猫ちゃんが。』
 
 
学校長『おやおや・・・早かったですね。それが合格の合図ですよ。ようこそ、王立魔法学校へ』
 
 
杏華『えっ、本当・・・ですか・・・私、入学できるんですか?!』
 
 
カルマ『ニャーン!』
 
 
学校長『もちろん、選ばれたのですから。』
微笑みながら相手へ笑顔を向ける
 
 
杏華『よ、よかったぁ・・・・ありがとうございます!』
安堵の溜息をつくかのように安心して。
 
 
学校長『それでは、続いて入寮試験を行いますね?・・・カルマ、おいで。』
先ほどもしたように手をかざし扉を作る
 
 
杏華『カルマちゃんが・・・扉に・・・えっ・・』
驚き扉を見つめる
 
 
学校長『これは杏華さんを正しい寮に誘うための扉。カルマが導いてくれます。ただし、私の質問に答えてからになります。』
 
 
杏華『導いてくれるんですか・・・?・・・・わかりました!入寮試験お願いします』
 
 
学校長『はい、わかりましたよ。それでは始めますね。』
 
 
杏華『・・・はいっ』
息をのみ学校長をしっかりと見つめる
 
 
学校長『貴方の家族関係を教えてください』
 
 
杏華『今は叔母様の家にお世話になってます。お父様の。お父様はケガが酷くて横になってることが多いです・・・
それでお母様はいません・・・いなく・・・なっちゃって・・・』
 
 
学校長『そうですか。それは次の質問です。なぜここに入学を希望しましたか?』
 
 
杏華『それは・・・お母様を探すためです。お母様を助けたくて・・・そのために魔法を!』
 
 
学校長『そうなのですね。母親を助けるといいますが、どうやって?なぜそうなったのです?』
 
 
杏華『私の居た村に死神と名乗る男の人がきて・・・私とお母様を庇ったお父様は大けがをして、
私を庇ったお母様はつれていかれてしまいました・・・その時、死神は言ったんです・・・
お母様を助けたければ森に来いって、成長したお前だけが助けられるって・・・』
 
 
学校長『ほう・・・森とはこの学校の不死の森ですか?』
 
 
杏華『はい・・・そうです。』
 
 
学校長『なるほど・・・・わかりました。さぁ、強い心をもってその扉を開けなさい。きっと導いてくれるでしょう』
 
 
杏華『・・・は、はい・・・』
 
 
学校長『怖がることはありませんよ、大丈夫。さぁ。』
優しく諭す。
 
杏華『はい!』
扉を開け白く光る中へと入っていく。
 
 
栞『わあああああっ、・・・・あっ・・なんだ・・びっくりしたぁ!!杏ちゃん!』
急に壁から出てきた人にびっくりする
 
 
杏華『わぁ・・・しーちゃん!』
栞に抱き付き安心したかのように笑顔になる
 
 
栞『そ、そんな抱き付かなくても大丈夫だよ!』
 
 
杏華『すみませんっ・・・不安だったから・・・怖くて。』
 
 
栞『そっか・・・・あっ、ほら座って!ここで休んでてって言われてたの!』
 
 
杏華『うん!ここで待ってればいいのかな?』
 
 
栞『多分・・・ね?』
 
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白那『先輩達、手伝いにきましたよ・・・って・・・』
 
睦月『えっ、白那ちゃん!?』
 
 
咲耶『はっ・・・きゃーっ、だめぇ!』
 
 
睦月『だ、だめっ!開けちゃだめぇ!』
 
 
白那『えっ・・・あの、どうし・・・魔物でもいるんですか!?せんぱっ・・わぁあああっ』
 
 
睦月『あっちゃー・・・・・・だから言ったのに・・・開けちゃだめって・・・・』
 
 
咲耶『白那ちゃんごめんね・・・?氷で飾り作ろうと思ったら扉よりも大きな飾りが出来上がって・・・
溶かそうと火の魔法を睦月に使ってもらった瞬間に白那ちゃんが開けちゃうし、蒸発しないで溶けちゃって・・』
 
 
睦月『ごめんねっ、火の魔法そこまで得意じゃなくて;』
 
 
白那『あっ・・・いえ・・・あの・・・大丈夫ですよ、私がいきなり勘違いして開けたのがいけなかったんで。ちょっと着替えてきますね』
 
 
咲耶『本当にごめんね;あとで戻ったら暖炉に当たってねっ?』
 
 
白那『はい、そうさせてもらいますね。ちなみにそろそろ時間的に迎えに行ってもいい頃かと・・・?』
 
 
睦月『あ、もうそんな時間?!』
 
 
咲耶『わぁ、本当だ!』
 
 
白那『着替えてからここの床の水は私が拭いておきますから先輩達、休憩室に迎えに行ってもらってもいいですか?』
 
 
睦月『うん、そうさせてもらうね!』
 
 
白那『あ、はい。わかりました。それでは失礼しますね。』
 
 
咲耶『じゃあまた後でねっ』
 
 
睦月『よし、咲耶いこう!』
 
 
咲耶『どんな子だろうなぁ』
 
 
睦月『もう咲耶ったらそればっかりw』
 
 
咲耶『ふふふ、だって楽しみなんだもの!』
 
 
睦月『でも、私も楽しみ!』
 
 
扉を前にしてノックして
 
 
栞・杏華『はい!!』
 
 
扉を開けて
 
 
睦月『合格おめでとう!』
 
 
咲耶『星寮へ、ようこそ!そして』
 
 
睦月・咲耶『魔法カレッジへようこそ!!』
 
 
 
 
 
 
 
 

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第一章4話

第一章・4話
 
 
学校長『これで全員、無事に試験が終わりましたね。』
椅子にもたれ掛り背の丈ほどある鏡で様子を伺いながらカルマへ言葉をかける
 
 
カルマ『ニャー』
 
 
学校長『ふふっ・・・そうですね、これから楽しくなりそうですね。』
微笑し、カルマの頭を撫でる
 
 
ドアがノックされる
 
 
学校長『どうぞ』
 
 
環『失礼します。あの、学校長・・・本当にこれでいいのでしょうか』
ノックして学長室に入る
 
 
学校長『えぇ、これでいいのですよ。彼女たちがどのように成長していくか、そしてこれから待ち受ける試練をどう乗り越えるのか・・・
見届けたいものです』
少し悪い笑みを含め環に向かって諭すように。
 
 
環『彼女たちが正直心配です。まだ幼い子もいます、不死の森・・・あそこは僕が今は管理していますが、いつなにが起こるか。もう事実あそこにはっ・・』
身を少し乗り出しいいかける
 
 
学校長『環くん・・・いえ、環先生。彼女たちは選ばれたのですよ。』
椅子から立ち上がり、鏡に手をかざして視線を環に向ける
 
 
環『ですがっ!』
机に手を付き強く声を出し
 
 
学校長『黙りなさい!環先生の言い分は勿論わかっています。ですが扉はもう開かれたのです』
普段の表情とは違うきつい目つきになり、環へと視線を送る
 
 
環『っ・・・すみません。僕はできる限り、あの森の管理をしていこうと思います、ただアイツが現れたら生徒達が心配で。』
 
 
学校長『そうですね・・・私でも彼と争うのは死をも覚悟せねばいけないでしょうね。ですが、きっとあの子達が光を差し伸べてくれることだと信じています』
 
 
環『はい・・・彼女たちの支えになれるように頑張ります。』
 
 
学校長『教師としてお願いしますね、環先生。』
 
 
カルマ『ニャー』
 
 
学校長『おやおや・・・そろそろ散歩の時間ですね。』
 
 
環『では、僕はこれで失礼します、森の管理にいかないといけないので。何かあれば連絡ください』
 
 
学校長『えぇ、お願いしますね。』
 
 
カルマ『ニャァーン』
 
 
学校長『はいはい、わかりましたよ。』
手をかざしカルマが光に包まれ人の形へと変わる
 
 
カルマ『んーっ、やっぱりこの姿って一番いいですねっ、学校長!』
背伸びして学校長に抱き付く
 
 
学校長『おやおや・・・さぁ、お散歩にでもいってらっしゃい、私は下の階にいく準備をしないといけないからね。』
 
 
カルマ『はいっ、学校長!』
窓から飛び出し木に飛び移っていく
 
 
学校長『さて・・・これから楽しみでもありますが、忙しくもなりますね。』
 
 
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白那『ふぅ・・・今日は天気が良くて本当によかったよ。あれだけ水浸しになったから、太陽が気持ちがいい。』
タイトルのない小説を持ち運び寮の近くにあるベンチに座り一息つく
 
 
白那『無事歓迎会も終わったし、よかった。一年生も無事に部屋案内が終わってる頃かな』
 
 
白那『本当、ここは静かで気持ちがいい・・・・』
 
 
遼『てめぇえええ!いい加減にしろよ!』
 
 
奏楽『いいじゃないっすかー!先輩もみたっすよね?あの緑の髪の3年女子!』
 
 
遼『うっせぇな、みてねぇーよ。』
 
 
奏楽『まーた、また!俺、結構あの眼鏡女子大好きなんっすよねー、お近づきになってこようかなって思うんっすけど、先輩のが詳しいんじゃないっすか?』
 
 
遼『だから、俺は女に知り合いなんかいねーし、絡んだりなんかしねーんだよ!』
 
 
白那『うるさいぞ、もう少し静かにできないかな。』
 
 
遼『あぁん!?んだ、てめぇ』
 
 
奏楽『まぁまぁまぁまぁ!!りょー先輩、落ち着いてくださいっす』
 
 
遼『元をたどると、てめぇのせいだろうが。』
 
 
奏楽『えぇー、俺っすか?とんとんっすよ』
 
 
遼『あぁ!?』
 
 
白那『聞こえなかったのか?静かにしてくれないかな』
本を閉じ視線を二人に向ける
 
 
奏楽『そっちは何読んでるんっすか?』
 
 
白那『あぁ、これはね・・・魔に魅入られた妻と、子と妻を裏切り見捨てた夫。残された子供の進む道……この間、
エトワール広場へ買い物に行った時になんとなく買った本だけど、なかなか面白いよ。』
 
 
奏楽『へー。タイトルはどこにかいてるんっすか?』
 
 
白那『最後まで読み終わらないと浮かび上がらないんだ。シリーズものだから興味があるなら広場にいってみるといいよ。』
 
 
奏楽『楽しそうっすね。りょー先輩、あとでエトワール広場いかないっすか?』
 
 
遼『いかねーよ、一人で行って来い。』
広場に向かって歩いていく
 
 
奏楽『でも、歩いてる先って広場っすよ?ねぇ?それ広場に向かってるっスよね?ねぇ、りょー先輩!!!』
 
 
遼『うるせーっていってんだろ!!!』
 
 
白那『だから・・・静かにしてくれって・・・はぁ・・・まぁいいか。これを読むのは今度にしよう、先輩達の様子を見に行こうかな。』
 
 
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杏華『学校広かったですね』
 
 
栞『確かに・・・広すぎて全部覚えきれないよ』
 
 
杏華『来週からここの生徒だって思うと、とても嬉しいです!!』
 
 
栞『うん!今まで頑張った甲斐があったよー』
 
 
杏華『はいっ、帰るときは気を付けてくださいね、しーちゃん』
 
 
栞『杏ちゃんこそ、気を付けてよね。じゃあ、ここで!また来週ね!』
門の手前で別れを告げ栞は走って帰宅していく
 
 
杏華『走って行っちゃった・・・ん・・・?・・・え?・・・・えっ・・・えぇええええええ!?』
木の陰に横たわってる人を見つけ声をあげる
 
杏華『ちょ、えっ、あっ、あのあの!!!!だ、大丈夫ですかぁ!?』
自分と同じくらいの少年の姿を近くまでいき確認したがやはり横たわっているため、動揺している
 
 
カルマ『ん・・・にゃー・・・にゃんですか?まだ僕ねむいのにゃ』
 
 
杏華『にゃ、にゃあ?あの・・・寝ていただけですか?』
 
 
カルマ『うん、僕ひなたぼっこだーいすきなのにゃん』
 
 
杏華『あ・・・そうだったんですねっ・・・よかったぁ』
 
 
カルマ『僕、どこでも寝ちゃうのにゃ』
 
 
杏華『ケガとかしているのかと思っちゃいました;』
 
 
カルマ『大丈夫にゃん!あっ、学校長!!』
 
 
ソフィア『学校長じゃないですよ、カルマくん』
 
 
カルマ『あっ、ソフィアにゃー・・・間違っちゃったニャン』
 
 
杏華『ソフィアさん?あっ、えっと、こんにちは!!』
 
 
ソフィア『ふふっ、こんにちは。私はこの学校専属の相談係兼総務を担当しています』
 
 
杏華『あっ!今日、試験で・・・1年になる杏華です!宜しくお願いします!』
 
 
ソフィア『宜しくお願いしますね?ただ新入生は皆さん帰宅しましたよ、ご家族が心配するかもしれませんよ?』
 
 
杏華『は、はい!そうしますっ、ソフィアさん、さようなら!!』
 
 
ソフィア『はい、さようなら、お気を付けて。』
 
 
カルマ『ばーいばいにゃん』
 
 
ソフィア『カルマくん?』
 
 
カルマ『にゃ、にゃー・・・・?』
 
 
ソフィア『学校長ではなく、ソフィアですからね??』
 
 
カルマ『わ、わかってるにゃん・・・・ちょっと間違っちゃっただけにゃん・・・』
 
 
ソフィア『気を付けてくださいね、カルマ』
 
 
カルマ『うん!ねぇ、ソフィア』
 
 
ソフィア『なんですか?』
 
 
カルマ『やっぱりあの子すごいにゃん、親が魔術にたけていただけあるにゃん』
 
 
ソフィア『そうですね、秘めるものがあるかもしれないですね』
 
 
カルマ『ソフィア、おなかすいたにゃん』
 
 
ソフィア『あらあら・・・』
 
 
カルマ『にゃんか、やっぱりおやおやの方がいいにゃん・・・』
 
 
ソフィア『ふふふ・・・さぁ、いきましょうか。』
 

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第一章5話

 
5話
 
 
白那『先輩、一年生は無事帰りましたか?』
 
 
睦月『ん?あっ、もう帰ったよ!』
 
 
咲耶『うん、白那ちゃんと入れ違いかな?』
 
 
白那『あ、そうだったんですね。』
 
 
白那『睦月先輩は勉強中でしたか?その参考書。』
 
 
睦月『あ、これ?自主的にだけど占い学の課題もらってきたの。あとそれ用の水晶も。』
 
 
咲耶『私も少しだけどもらってきたんだよ!』
 
 
白那『やっぱり先輩たちは勉強熱心なんですね、火の魔法と氷の魔法さえ、失敗しなければ・・・・』
 
 
睦月『も、もうっ・・・あれはちょっと加減が難しくてっ、ちょ、ちょっとだけねっ』
 
 
咲耶『うんうん!』
 
 
白那『くすっ、知ってますよ、来週からは後輩がいるってなると少し身が引き締まる思いです』
 
 
睦月『白那ちゃんはしっかりしてるね。』
 
 
咲耶『白那ちゃん達の入学当初なんていろんなことあったよね!』
 
 
白那『あっ、あれは秋が・・・』
 
 
睦月『そうそう、秋ちゃんが暴走しちゃったことが一番大きかったなぁ』
 
 
白那『あの時はとても驚きました。でも、今は秋も頑張ってるし、早く会いたいです』
 
 
咲耶『私も、早く会いたいっ!ねっ、睦月』
 
 
睦月『うん、そうだね、またみんなで談話室でお話いっぱいしたいね。』
 
 
白那『だいぶ薄暗くなってきましたね、、、あっ、先輩その水晶なにか光ってませんか?』
 
 
睦月『水晶?・・・・本当だ・・・・なにこれ』
 
 
咲耶『なんか嫌な感じするよ、その光』
 
 
睦月『・・・なんか映ってる?』
 
 
白那『これは、森ですよ。』
 
 
咲耶『不死の森?』
 
 
睦月『きっと、そうだと思う。でもどうして・・・』
 
 
白那『様子見に行きましょうか・・・』
 
 
睦月『それは危ないよ、こんな時間だし・・・』
 
 
咲耶『そうだよ、先生たちに報告した方がいいんじゃないかな』
 
 
白那『今月、森に出た猛獣の退治は私担当なので』
 
 
睦月『一人で行かせるなんて危ないよ、私も一緒にそれならいく。咲耶、ちょっと水晶のこともまとめて環先生に報告しておいてもらえない?』
 
 
咲耶『2人でいくの?心配だよ・・・・』
 
 
睦月『大丈夫だよ、咲耶。これでも成績優秀なんだから!』
 
 
咲耶『うーん・・・なら先生に報告してから私も向かうね!』
 
 
白那『はい、お願いしますね。』
 
 
睦月『じゃあ、行こうかっ』
 
 
白那『はい』
 
 
咲耶『気を付けてね!!』
 
 
 
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睦月『今まで水晶にあんな風に写るなんてことなかったのにっ』
 
 
白那『そうですね、なにがあったのでしょうか』
 
 
白那『ここです』
 
 
睦月『敵は居なさそうだけど・・・・・・・いるっ・・・白那ちゃん、警戒して』
 
 
白那『はいっ・・・』
 
 
睦月『はっ、白那ちゃん、後ろ!!ライトアロー!』
 
 
白那『す、すみません!』
 
 
睦月『この森、いつもと違うよ・・・』
 
 
白那『はい、嫌な空気です・・・低級だけじゃない気がします』
 
 
睦月『うん・・・もっと別の・・・・闇の属性の力を感じる』
 
 
白那『はい・・・凄く凶悪な、闇魔法・・・』
二人の周りを包み込むような闇魔法の力が漂い始める
 
睦月『・・・・闇・・・魔法・・・・』
 
 
白那『っ!?睦月先輩!!!』
 
 
睦月『・・・・ごめんなさいっ!!!!!』
 
 
白那『えっ、どうしたんですか、急に・・・先輩!ぼーっとしてたら危ないですよ!』
 
 
睦月『・・・ちょっと、ごめん・・・っ、どうしよう・・・こんなの相手できないよ、今の私じゃ。』
 
 
白那『先輩?!確かに、こいつ・・・やばいですよ・・・!!効くかわからないけど!!これなら・・・雷よ、一条の光と、わぁああ!!?』
 
 
睦月『白那ちゃん!!!』
 
 
白那『くそっ、すみません!!』
 
 
睦月『今まで、こんなの・・・見たことないっ』
 
 
白那『詠唱が間に合わない・・・睦月先輩なら詠唱間に合いますよね!?』
 
 
睦月『えっ・・・私・・・』
 
 
白那『先輩?どうしたんですか!?』
 
 
睦月『う、ううん!なんでもない・・・や、やってみるよ。』
闇魔法に怯え過去を思い出しつつも先輩という言葉に負け強気になる
 
 
白那『こっちは私が見てるので・・・』
 
 
睦月『っ・・・う、うん。』
 
 
白那『・・・先輩・・・?』
いつもと違う先輩に不思議そうに
 
睦月『すー・・・風よ、鋭い刃と為せ、彼の者を切り刻め!風刃列覇(シャイド)・・・・・』
不安な気持ちを忘れさせようと意識を集中させ目の前に立ちはだかる見えない闇属性の魔物に向かって使おうとする
 
 
詠唱中、そこに学校長が現れる
 
学校長『危ない!!!』
 
 
睦月『きゃあ!!学校長・・・どうし・・・え・・・血・・・がっ、学校長!?』
 
 
学校長『これくらい大丈夫です、それより二人とも離れてください、この魔物は並大抵の魔法は自分の力にしてしまいます』
 
 
白那『・・・す、すみません・・・睦月先輩・・・早く!』
 
 
睦月『う、うん・・・学校長お願いします・・・』
両手に付いた血に驚きながらも白那についていき下がる
 
 
学校長『またこのような魔物を森に放ったのですか・・・面倒事しか起こさない。』
眉間にしわを寄せ、ある人物を思い浮かべながらつぶやき
 
学校長『ここに現れたことを後悔なさい、地獄の扉へと誘いましょう!ヘルインバイト!』
強力な暗黒魔法に包まれ魔物が一気に消え去る
 
睦月『初めてみた・・・学校長の魔法・・・あれは闇魔法なの?』
 
 
白那『わかりません・・・もっと凄い魔法だったのはわかります』
 
睦月『うん・・・この前、図書館で読んだ暗黒魔法に似てた・・・』
 
白那『・・・いったい・・・それより、学校長の所にいきましょう』
 
睦月『そうだね・・・・ケガ・・・大丈夫かな・・・学校長!』
遠くにいる学校長に声を投げかける
 
学校長『もう大丈夫ですよ、二人ともケガはありませんでしたか?』
 
白那・睦月『はい!』
 
睦月『私の魔法でケガを・・・』
 
 
学校長『いえ、大丈夫ですよ。これくらいかすり傷ですからね。自分でも治せますよ。』
 
 
睦月『それならいいんですけど・・・あまりにも血が・・・出ていたので・・・』
背中の傷を心配して相手の顔色をうかがいながら
 
白那『それよりも、私の迂闊な行動でこのようなことになってしまいすみません、いくら森の担当だったからと言え・・・』
 
 
学校長『いえ、大丈夫ですよ。ただこのような異例の場合はすぐに逃げて、教師を呼んでくださいね?』
 
 
睦月『本当に、すみませんでした』
 
 
白那『すみません!』
 
 
学校長『わかったのならいいのですよ、ほら、環先生と咲耶さんも来ましたから、お帰りなさい。』
 
 
睦月・白那『はい』
 
 
環『僕は学校長と話があるので3人で寮に戻って休んでください。』
 
 
咲耶『二人とも、大丈夫?早く、寮に戻ろうっ・・・危ないよ・・・』
 
 
睦月『咲耶、ごめんね・・・』
 
 
咲耶『顔色悪いよ、睦月・・・早く休もう?』
 
 
睦月『うん、そうする』
 
 
白那『行きましょうか』
 
 
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環『ケガ、大丈夫なのですか』
 
 
学校長『問題ないですよ。これくらい。彼女たちにケガがなくてよかったです』
 
 
環『なにのんきな事をいってるんですか、それ以上、魔力をもった攻撃を受けてはいけないはずでしょう!』
 
 
学校長『アイツを葬ることができれば解決する話ですから。』
 
 
環『ですが、こんなに深い傷を負ってしまっては・・・』
 
 
学校長『しつこいですよ、環先生』
 
 
環『っ・・・僕はどうしたらいいですか』
 
 
学校長『この森の管理を強化して生徒達に危害がいかないようにお願いします』
 
 
環『わかりました・・・ただ・・いつまでも僕はあなたのいいなりにはなりませんよ』
 
 
学校長『ふふ・・・わかってますよ。あまりにも無茶しすぎてしまってますからね。』
 
 
 

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